お題

□4.本気で通報されたいのか?
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気配を感じてサッと後ろを振り返る。

―――誰もいない。
それどころか今まで感じていた気配さえプツリと感じなくなった。

こんな一瞬にして気配を消せるなんて普通の奴ができることじゃない。同業者か…?
後ろを冷ややかに一瞥してから、近くにあった路地裏にスッと身を隠した。
近くにあったゴミ箱に身を潜めていると、人影が浮かんだ。

静かにボムを構えると、俺の微かな殺気さえ感じたというのか、その人影は足早に去っていった。
思わず盛大な舌打ちを溢した。



――そして帰宅後…、再び舌打ちすることになる。

「またかよ…」

ベランダに干してある下着が一枚盗まれていた。
またかよと言ったのは前にも何度か盗まれたことがあるからだ。
別に何の変哲もないどこにも売ってそうなボクサーパンツだったりする。
しかも俺が履きふるしたようなパンツが大抵盗まれるのだ。

大体の予想はついている。
多分さっき俺を尾行(つけ)ていたストーカー野郎も“奴”だ。
俺は怒りと勢いに任せて足を進め、“奴”の家に向かった。



――いっぽう、山本の家……

「山本ォォォォォ!」

「ええええええ!!?」

山本の部屋の扉をバンッと開けたのは、先程自宅を飛び出したばかりのはずの獄寺だった。

山本はポカンと間抜け面で、茫然としている。


「テメエのその手に持ってるヤツはなんだ!?」

「え、俺のチ「逆だ!!」


山本は今正に自分を慰めている最中であった。
そして獄寺が指差した山本の手に握り締められているのは、今日無くなっていた獄寺のボクサーパンツ…


「お前…本気で通報されたいのか!」


獄寺は山本の手にあるパンツを引ったくり、おまけに山本の剥き出しのチ○コを思いっきり蹴ってやった。
山本が声にならない叫び声をあげて、股間を押さえて前屈みになる。
小刻みに震える山本に、ざまーみろ!と怒鳴り付けて獄寺は山本の部屋を足早に後にするのだった。



End

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