山獄
□I devote greatest affection for only dearest you.
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普通に友達だと思ってた奴から告白をされた。
まさかあの獄寺から告白されるなんて思ってもみなかった。
綺麗な奴だな、とは前々から思っていたけれど、そういう対象で見たこともないし、そういう対象で見られてるとは思いもしなかった。
「えっと…まずは友達から…っつても、もう友達だしなあ……えっと…」
どうしようか、と頭を悩ませている俺に、獄寺は悲しそうに眉を下げて笑った。
「山本、無理しなくていいから。困らせて…悪かった」
「ちっ、違う!ま、まだ俺、何か混乱しちまってて…」
黙ってしまう。
何が言いたいんだ、俺は。
獄寺と同じ気持ち返せる訳でもないのに、何で俺はわざと引き留めるようなことをするんだ?
だけど、
分からないけど、
獄寺が俺を好きじゃなくなるなんて…、
……何か…嫌だ……。
「はっ…ハハハ。お前は相変わらずバカだな」
「え…」
「そんなんだと期待して、付け上がっちゃうぜ…?」
上目遣いで挑戦的に見上げてくる、獄寺のその仕草が可愛いと思えてしまって、ドキリとしてしまった。
「ゼッタイ、諦めてやんねえ」
獄寺がニッ、と笑う。
「覚悟しとけよ」
はっ、として自分の左胸ぐらを掴んで押さえてみる。
……何だこれ。
ドキドキが止まらねえ。
何で俺……、あんなこと言っちまったんだろう…。
何で俺……、嬉しいと思ったんだろう。