山獄

□a newly married life
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「じゃ、行こっか」

「おう」


新郎の白のタキシードに身を包んだ山本が獄寺に手を差し出す。
ウェディンググローブに包んだ獄寺の手が山本の差し出す手に乗せる。

山本は照れくさそうに笑って、獄寺の手を引いて歩き出す。
後ろから獄寺が見た山本の耳は真っ赤だった。


二人の関係が始まってから十年。

幸せにすると誓った
幸せになると確信した
あの夜から4年。

24歳の冬。二人はついにめでたくゴールインした。


山本の獄寺に差し出すように肘を張る腕に獄寺は前腕を絡ませる。
幸せそうに微笑みながら互いに目配せし、歩き出す二人に、拍手に混じって歓声と祝福の声が飛び交う。

ウェディング姿に身を包んだ花嫁姿の花婿が、ベールの下で恥ずかしそうにはにかみながら俯く。
白のタキシードをびしっときめた新郎である山本も、いつになく緊張し気分が高潮しているようだった。

まるでこれからの人生のように、ヴァージンロードを寄り添い歩く二人。
これから二人は愛を誓う。皆の前で……。
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