山獄

□ツンデレvsツンデレ
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屋上。
本日は晴天、陽もいい感じに照っている気持ちよく清々しい爽やかな屋上。
その屋上に授業中、給水タンクの上で日向ぼっこをしている黄色い小鳥と昼寝をしている風紀委員長。

そんな彼等の眠りを妨げる者達が授業中にも関わらず、バタバタと転がり込むようにして屋上へ来た。
雲雀は大きな欠伸をして、何事かと鋭い狐目を光らせた。


一方、彼の眠りを妨害したなど気づいていないこの二人組は、獄寺隼人と山本武だった。
二人は付き合っている。
屋上の真ん中を陣取るなり、座り込んで、熱い抱擁を交わし、この暑い中熱々の口付けまで交わしていた。

山本は獄寺の唇を角度を変えて味わい、獄寺も山本の背中に手を伸ばし、山本の背のシャツを掴みながら口付けを享受し、大人しく舌を差し出し絡め合っていた。


これを黙って見ている雲雀ではない。
何事かと給水タンクから上半身を乗り出しそのハートが飛び散るような光景を一通り見た後に額に血管を浮かべた。
(咬み殺す…!)
静かな殺意を燃やしていた。

雲雀恭弥。並盛最強の風紀委員にて若年者にして並盛を取り締まる恐い者知らずの化物みたいな人である。
そんな雲雀恭弥。人に興味は無く、群れるのが嫌い、一匹狼ときているが、実は山本武に密かな恋情を抱いていた。

なのでその殺意は“いちゃつくカップル”よりも“獄寺隼人”に向けられたと言っても過言ではない。
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