山獄

□恋はいつでもハリケーン!?
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もしも世界に俺しか人間がいなくて独りぼっちだったらどうする?
答えは出せない。
確かに一人なら自由だし、他人という目を気にせず生きていける。
しかし十代目もいないなら、俺の生きている意味は無いのだから。


「よお、獄寺」

「……」


じゃあ世界に俺とアイツ、二人だけだったらどうするか。
いやいや待てよ、待てよ。
普通女と男だろ?生産的だし。何故に俺と山本?非生産的すぎるだろ。
世界滅亡を辿る一方だぞ?


「お前…十代目は?」

「並盛一周したけどだーれもいないな」

「そうか…俺は5周した」


やっぱりいなかった。
山本はご苦労様といっそ清々しい笑顔を見せてハハハと笑った。


「どうやらここには俺とお前しかいないようだな」


山本が現実を突き付ける。

一体何故、なんて考えなくても分かる。
修行と称されリボーンさんに撃たれた銃弾の効果だ。
あれは元々、弟子と師匠が互いに神経を高め集中して修行したりだとか、敵と一対一で闘う時の為に作られた銃弾だ。
(まだ新作なので、俺達で試したのだと考えられる)

決してこのバカと俺と何もすることねえのに、二人きりでいる為に使われる用途の物ではないのだ。
親睦を深めろってことか?それともコイツと闘えと?
山本は暢気にこの状況を楽しんでるように見えた。

ああ頭が痛い。
こんなバカと長時間一緒にいたら俺までバカになる。


「取り敢えず自分ん家に帰って、それぞれ一日ゆっくり待機…」

「そうだ!学校行こうぜ!」

「はあ!?って、おい!ちょっ…!」


山本が俺の手首を掴んで、俺を引っ張るようにして歩き始めた。
離せー!とか人の話聞け!とか喚いてはみるけど、そうなのな〜、と一向に離す気も人の話を聞く気もなく、鼻歌混じりに歩き続ける山本。

何かもう疲れた……。
脱力して大きな溜め息を吐き、大人しく山本に手を引かれて学校まで行くこととなった。
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