感謝感激雨嵐

□俺の恋人がこんなにデレるわけがない
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「獄寺!」

「野きゅ……山本…」


え、今、
野球バカって言いかけたけど山本って呼んでくれた!?
嘘!マジで!?
すっげー嬉しいんだけど!

感動していると、少し照れたような獄寺が俺を上目遣いに見上げてきた。


「で、何の用だよ?」

「あ、そうそう。今日ツナ、笹川と帰るって聞いてさ。よかったら、一緒帰らねえかなあ…って思って」


いつもはすんなり却下される。
十代目の護衛が、とか、お前待ってる程暇じゃねえんだ、とか言って。

まあ、今回も断られるだろうけどダメ元で誘ってみた。
二度あることは三度ある、ってことは四度目はないってな。
そんなこんなでもう百回は振られているだろうけど。
まあ、三度目の正直ってことは四度目がないのと同じだからなあ…。
って俺、何か詩人っぽい?


「いいぜ」

「へ?」


…って、え?
い、いいの?
固まる俺に焦れたのか、獄寺は頬を可愛く染めながら、俺を睨むように見上げる。


「だから待っててやるって言ってんだよ!分かったらさっさと部活行け!」

「い、いい今の絶対な!男に二言はないんだからな!」


興奮してまくし立てたら、獄寺がふ、と柔らかく笑って、おう。って呟いた。

早く行かないと待たないぞ、なんて獄寺が可愛く脅しをかけるから、俺は慌ててエナメルバック肩から下げて、部活に行こうとした。

すると、今度は獄寺じゃなくてクラスの女子に呼び止められた。
確か…最近よく話しかけてくる顔で…?


「武」

「え、何?」

「あのね、私ね、武が部活でも頑張れるようにって、お守りを…」


そう言って何か出そうとする女子生徒。
あー、獄寺が見てるとこで…こんな見せたくないんだけど……。


「山本!」

「へ!?」

「部活…頑張れよ」


〜〜っ!
どきゅん!ってキタ!今どきゅんって!

あんな優しい言葉、たどたどしく頬染めながら上目遣いで…!
なに、あれ天使!?俺の天使!?


「おう!頑張ってくるぜ獄寺っ!」


お前の為なら!!!
俺は教室を飛び出すように走って、直ぐに部活へ向かった。

何か今日、獄寺が可愛すぎてドキドキが止まらない。顔、熱いのも止まらない。
ついでにニヤニヤも止まらない…!

部活に行ったら、なんかいいことあったのか、って皆に聞かれた。
恋人が今日はデレデレなんだ、って可愛いんだって自慢したかったけど、獄寺そういうの嫌いだし、俺だけの幸せにしとこう、と心に留めた。
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