感謝感激雨嵐

□たった二文字の言葉さえ
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こんなことなら伝えておけば良かったと思う。
俺、好きなんだ、って。

伝えるチャンスが無かったわけではなかった。寧ろたくさんあったのに、そのチャンスを見えないフリしていつも逃げていた。
獄寺が少なくとも俺のこと嫌いではないことを知っていたけど、
それでも、伝える一歩は絶対に踏み出せなかった。
キッカケがないから、と自分に言い訳してたけど、キッカケだって作ろうと思えたら作れた筈だ。
それこそチャンスはいっぱいあったわけだし……。

後で悔やむと書いて後悔。まさしくその通りだ。
人は後から何でも気づくから後悔する。
今だけを上手くやり過ごしているということは、今から目を逸らし逃げているのと一緒だ。(少なくとも俺は今を全力で生きてきたと思っていた。けれど違った)
なんて説教じみたことを思ってみても、結局のところ、
後悔したって後の祭りだ。(祭りなんて景気良いもんじゃねえけど)

もう全てが遅い。
全く取り返しのつかないことになってしまった。

だからといって、諦められないこの感情にどう終止符を打てばいい?


好きなんだ……。
どうしようもないくらい好きなんだ。
他の人のものになるなんて、そんなの居ても立ってもいられなくなる。


なあ、もしもあの時…。プロになる夢を追わずに、お前達と一緒の世界に入ったら、少しは変わってたのかな…?
(プロの野球選手になれたことに後悔はしたくはないけれど)
でもな、時々、思うんだ。
もしもの話を。

なんて俺らしくないんだろう。
最高にかっこ悪ぃ。
(なんて体裁ばっかに拘ってるからダメなんだよな…)
かっこ悪くても何でも、必死になって勝ち取れば良かったのにな。
(野球に対する姿勢のように直向きに)
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