感謝感激雨嵐
□愛してるの連鎖
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もし付き合うなら、ほんわかしてて可愛くて、おっぱい大きな子が良い。
中1の時、その理想は見事打ち砕かれた。
獄寺隼人。
突然俺の目の前に現れたソイツは、俺の心を鷲掴みにした。
同じ男。
勿論おっぱいなんてまっ平らだし、付いてる物は付いてれば、付いてない物は付いていない。
おまけに喧嘩っ早くて口が悪い。不良だし俺を嫌ってるときた。
でも、普段見せない可愛い顔とか、かと思えば急に見せる大人っぽい綺麗な顔とか、くるくる変わる表情にいつの間にか目は釘付けになっていた。
ほっとけなくて、一人で背負い込む奴で、守ることには慣れてるのに、守られることや頼ることには慣れてない。
獄寺の過去を聞いたら、同情とかじゃなく、より一層獄寺に惹かれた。
俺と同じ男の、しかも俺より場数踏んでる獄寺に対して、守りたい、って思った。
ずっと、好きだった。
だから高校も敢えてツナや獄寺が行く並盛高校を選んだ。
三人でいるこの時間が何より大切だと思ったし、野球ならどこでもできるから。
並盛高校でも十分甲子園は目指せる。
でも獄寺はここにしかいないから。
今は傍にいれるだけでいいんだ。嫌われて拒絶されるのは恐すぎる。
「獄寺ー!ここ分かんねぇんだけどさ、教えてくれねえ?」
「ああ?仕方ねえなぁ……」
だから、今日も俺は友達のふりして笑う。