感謝感激雨嵐

□日和のつく日
2ページ/8ページ




そんなただでさえ面白く無さそうに顔を顰めている獄寺の不満は、リボーンの言葉で終に爆発した。


「そんな山本に、日頃の労いを込めて、サプライズプレゼントだ」

「やりい!ありがとな小僧!」

「なっ!リボーンさんっ!何でこんな奴になんか……っ」


反論の言葉を紡ごうとした獄寺の額にリボーンは容赦なく銃を突き付ける。
獄寺は思わず口を噤み、息を呑み込む。

綱吉は、赤ん坊が銃を持つことには疑問すら持たず(いつものことなので)、獄寺君に銃を向けるなよ!と慌てた。
獄寺が十代目ぇと感激して眸を輝かせるのを、山本は穏やかじゃない気迫を背中に纏って二人を見据えていた。

山本は獄寺が絡むと見境が無くなる。そう常日頃思っていた綱吉は、もうこの時点で綱吉は嫌な予感はしていたのだ。
これがリボーンが言う、ボンゴレ十代目の超直感というやつだろう。

それが的中し、次の瞬間にはリボーンは引金を何の躊躇いもなく引き、獄寺の額にズガン、と銃弾が埋め込まれた。

驚愕に目と口を丸く見開きながら、フローリングへと背中から倒れていく獄寺。

綱吉は、わー!と自分の頬を挟み込み、悲鳴を上げて、
山本は獄寺っ!と切羽詰まったような声を上げながら、フローリングに背中を打ち付ける前に、倒れる獄寺の背中を支えた。


「リボーン!何てことするんだよ!」


いざというときのボスは、剣幕な表情で、普段は手が上がらない家庭教師の胸ぐらを掴んで揺すった。

山本もリボーンを咎めるような眸で睨み付ける。
纏う空気も表情も、正に、穏やかじゃねえな、というような鋭さだった。


「目の前にある状況しか理解しようとしないだろ?だからお前らはヒヨッコだと言ってるんだ」


リボーンがニヤリと笑みを、上げた口角に浮かべる。
そして綱吉の手を強引に振り払い、見てみろ、と獄寺を見るように顎で促した。

獄寺の額は銃弾が埋め込まれ、貫通した痕すら残っていなかった。
眸は閉じられ、気を失っているようだが、しっかり心臓は生を刻んでいる。
死ぬ気弾の一種だと綱吉は理解した。
山本も、小僧の玩具の一種だと、少し見当違いの理解をしたのだった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ