感謝感激雨嵐

□嘘つきeveryday
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※14山獄
※激甘







【嘘つきeveryday】







「お前なんか大っ嫌いだっ!はーなーせーっ!!」


ここは山本の部屋で、山本の父が今日4/1誕生日の為に、山本の母と旅行に行って不在のためか、獄寺がいつにも増してぎゃんぎゃんと喚く。

山本は山本で、二人きりなのをいいことに獄寺を羽交い締めするように抱き締めていた。


「嘘つきだな〜獄寺は」

「嘘つきじゃねえっ!」

「照れ屋だな〜獄寺は」

「照れ屋じゃねえっ!つーかそのでれでれした顔止めろ!!」


獄寺は顔を真っ赤にしたまま、近づいてくる山本の顔を押し返す。

しかし、その抵抗も虚しく、山本は獄寺の頬に自分の頬を擦り寄せる。


「可愛いな〜獄寺は」

「人の話を聞けーーーっ!!」


頬擦り(獄寺の頬が上下に歪む程の)をしながら幸せそうに微笑む山本に、獄寺は段々抵抗する気を無くした。


「獄寺は毎日がエイプリルフールだなぁ、今日ぐれぇ素直になってみるっていうのはどうだ?」

「はあ?」


獄寺は一瞬不機嫌そうに眉を顰めたが、その後暫く黙ってしまった。

山本は獄寺の腹に手を回して、暢気な口調で、どうしたぁ?と後ろから獄寺を覗き込む。


すると、獄寺はぐるりと山本と向かい合うように自分の体を動かす。

顔が驚くほど近くて、山本がびっくりとしていたら、獄寺が山本の首に腕を回して、山本の胸に顔をポスンと埋めた。


「……正面から抱き締めろ…バカ」


ぎゅうと抱きつく獄寺。

山本は顔にじわじわと赤を滲ませ、あーーーと首を反らして重く呟いた。
赤い顔を見られないように、掌で自分の顔を覆いながら。


年中エイプリルフールだったら最高だなあ、と一瞬山本は思ったが、これじゃ心臓がもたない。

可愛すぎる恋人を抱き締めながら、心臓の音と自分の息子を鎮めようと必死な山本であった。



End

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