感謝感激雨嵐
□ぶらっく*ちょこれーと!
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「ねえ、愛する人の為にバレンタインデーとやらに参加してみないかい?」
とうとう頭がイカれたか。
2/14 *聖バレンタインデー*
「何だよ、わざわざこんなとこ呼び出したかと思ったら……」
そんなくだらねえことかよ、とヒバリの拠点である和室からアジトに帰ろうと立ち上がる。
「ふーん逃げるんだ」
「何…?」
眉を寄せて、畳にどかっと胡座をかいて再び座る。
ヒバリがにやりと笑った気がした。
「受けてやろーじゃねえか。チョコでも大福でも焼き鳥でも何でも作ってやろうじゃねーか!!」
ヒバリをギンと口角を引きつらせながら睨むと、ヒバードがびくっと体を震わせてヒバリの後ろに隠れた。
「じゃあ明日から。僕ん家の台所で作るから、サボったらダメだよ」
「誰が逃げるか!!」
ヒバリとか和室には不釣り合いのお菓子の本をヒバリが取り出した。
バレンタインチョコレート特集と書かれている。
「了平…喜んでくれるかな」
そうヒバリが呟く。
芝生とラブラブなんだな、と遠い目で見つめた。
俺と山本は最近ご無沙汰だからって寂しくも何とも別に、ねーけど……。
そんな俺たちの様子を見ていたヒバリに用事があって来ていた十代目が、何この異色のコンビ、と若干引き気味だったのもお恥ずかしながら気づかずに、俺の方が山本に美味いチョコを食わしてやる、とか闘争心に燃えていた。