お題

□4.食べちゃうぞが冗談に聞こえない
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今日は十代目と山本ん家の寿司屋に来ている。
山本がどうしても!と言うから来ただけであって、普通なら絶対に来ない。
それに今日は十代目もご一緒だから大丈夫かな…と思って来た。

俺一人で来ると、山本もだが、山本の親父も親父で、妙なことばかり言いやがる。
いつ嫁に来てくれるんだい?とか、
花嫁修行ならおいちゃんに任せとけよ、とか、
日本では結婚できねえらしいから養子になるかい?とか、
孫とかおいちゃんそういうの拘らねえから、武と獄寺君が幸せならおいちゃんはそれでいいんだからな、とか……
そもそも山本と結婚するつもりねえし。
てか俺、男だし……。


「おうツナ君、獄寺君、よく来たな!」

「今日は新鮮なネタ入ったから食ってもらいたいんだってさ」

「日頃の礼だ、遠慮なく食えよ!」


出された鯵を箸を伸ばし、食べる。
うん、確かに新鮮で美味い。
数あるジャパニーズフーズの中で一番寿司が好きだ。

黙々と食べていると、いつの間にか隣に座っていた山本がニコニコと気持ち悪い笑みで俺を見つめていた。


「な…なんだ?」

「んー?可愛いなあって、食っちまいたいくらい」

「(ひー!冗談に聞こえない!つーか目がマジなんですけどーー!!)」


俺は何言ってるんだ…と憐れみの目を山本に向けて、溜め息を吐いた。
寿司屋の息子のくせして人を食いたいなんて、親父さんが泣くぞ。


「既成事実作ればいいじゃねえか武」

「!?」


やべえ!俺食われる!?
俺は真っ青になりながら竹寿司を逃げるように飛び出した。

ああ!また十代目をあんな恐ろしい一家に置いてきてしまった!

山本親子恐ろしすぎる!
あんなとこに嫁ぐなんて死んでもできねえよ俺!!





一方、竹寿司……


「山本…絶対獄寺君、勘違いしてるよ?」

「だな〜、本当に可愛いのな」

「冗談だったんだがなあ…獄寺君は相変わらず可愛いな」

「ダメだぜ、親父。いくら可愛くったって俺のものなんだからな」

「ったく、武もすみにおけねえなあ!」

「(……早く帰りたい!なんで俺ばっかいつもこんな目に…っ!)」



End

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