お題
□1.スキンシップじゃなくてセクハラ
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「ごーくでらっ!」
「うわっ!」
朝っぱらから後ろからいきなり肩を抱いてくる山本。
十代目もびっくりされている。
「テメエ!十代目の肩を軽々しく抱くんじゃねえ!」
「ハハハ!何だ嫉妬かー?」
可愛い奴だな、と山本が俺の髪をくしゃくしゃと撫でる。
止めろよ、と睨み付けながら抵抗するけど、結局山本が納得いくまで撫でられて、髪がグシャグシャになってしまった。
(あ、獄寺君…嫉妬してるってことは否定しないんだ…)
「獄寺ー、これも全部スキンシップなんだぜ?」
「はあ?スキンシップだあ?」
二人きりの時に尻撫でたり、突然キスを迫ってきたり、抱きついてきたりするのがかよ!?
イタリアでもこんなの無かったぞ!?
何だ!?日本は控え目な国じゃ無かったのか?!
大声で怒鳴ったら、十代目や周りの人々がドン引きしているのに気付いた。
しかし後戻りもできなかったから、さっきよりできるだけ小声で怒鳴った。
「お前がやってることは全国共通でセクハラっつーんだよバーカ!」
「えー、んなことないぜ?」
「誰にでもしてんだったら止めろよ、訴えられるぞ」
「心配してくれてんの?優しいのな」
ち…違う!別に心配なんかしてねえし!と思わずムキになって言い返してしまった。
「でも大丈夫。俺がそんなこと(セクハラ)するの獄寺にだけだから」
山本が爽やかに微笑む。
何故か俺の顔には熱が集まり、心臓がドキドキと煩くなった。
「そ、そうかよ」
別にどうでもいいけどな!
隣で俺を覗き込むように笑う山本から、俺は何故か火照る顔を背けた。
(えええ!一体獄寺君に何が起こったのー!?)
End