お題
□3.俺がお前で、お前が俺で
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最悪だ。
「えーっと…獄寺君…?」
「はい…」
「あはは!おかしーの!俺が喋ってる〜」
「野球バカ!俺の声でそんな間抜けな喋り方するな!」
「ハハハハ!俺が俺に怒ってる!!」
腹抱えてバカみてえに笑う俺。
あんな大口開けて間抜け面で俺は笑わねえ。
チクショウ、チクショウ…チクショウ!!
俺が山本で山本が俺で
ことの始まりはその名の通り
『俺がお前でお前が俺で弾』
略して『俺俺弾』
またリボーンさんの試作弾でこんなことになってしまった。
山本は山本で能天気に、おっ、これが獄寺の体かあ、なんて言って、脱ぎ出してみたり、一人で何故かやたらと興奮している様子だった。
しかし、俺はそれどころではない。この世の終わりのような気持ちでその場に蹲った。
「まあまあ、やま…獄寺君」
「うぅ…十代目ぇ…!!」
「ごめん、つい…」
ああ、もう死にたい。
よりによって、こんな間抜けな野球単細胞バカと入れ替わるだなんて…!
「俺、山本が好きなんだ」
「テメエー!俺の声で何気持ち悪ぃこと言ってやがる!?」
「んー…獄寺の声なんだけどなぁ…。何か違うのな」
ああ!早く戻りたい!!
「はやく…山本のバットが欲しい…、っ、ヤバい!!録音しとこーっと」
「十代目助けてください〜!」
「…俺が助けて欲しいよ…」
End