お題

□08.言っちゃった
1ページ/1ページ




「いい加減にしろよ!山本っ」

「お前こそ諦めろよ!獄寺っ」

「……何してるの…?」


屋上の入口に顔を向けたらツナがいた。
あ、と俺と獄寺の口が丸く開く。

獄寺が俺の胸ぐらを掴んでた手を慌てたように離す。
俺も獄寺を押さえていた腕を下ろした。


「ち、違うんです!コイツが山本のくせに右腕の俺に隠し事するんですよ!」

「別に隠してる訳じゃねーって!」


声を荒げる俺にツナは慌ててオロオロしている。
獄寺は相変わらず、俺をまるで絶対許せない敵のように睨み付けている。

俺は歯痒さに奥歯を噛み締める。


「何か疚しいこと隠してるとしか思えねぇな…ねえ十代目!」

「え、う…うーん…?」


疚しくないと言えば嘘になるけど。
健全で誰でも抱く感情だと思う。
(まあ、俺のはイレギュラーなんだろうけど…)


「別に、隠してる訳じゃねぇんだって!」

「じゃあ何で俺に言わねぇんだよ!」

「んなの!当たり前じゃねえか!お前が好きなんだって言えるかよ……あ……」


……言っちゃった……。



End

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ