お題
□08.言っちゃった
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「いい加減にしろよ!山本っ」
「お前こそ諦めろよ!獄寺っ」
「……何してるの…?」
屋上の入口に顔を向けたらツナがいた。
あ、と俺と獄寺の口が丸く開く。
獄寺が俺の胸ぐらを掴んでた手を慌てたように離す。
俺も獄寺を押さえていた腕を下ろした。
「ち、違うんです!コイツが山本のくせに右腕の俺に隠し事するんですよ!」
「別に隠してる訳じゃねーって!」
声を荒げる俺にツナは慌ててオロオロしている。
獄寺は相変わらず、俺をまるで絶対許せない敵のように睨み付けている。
俺は歯痒さに奥歯を噛み締める。
「何か疚しいこと隠してるとしか思えねぇな…ねえ十代目!」
「え、う…うーん…?」
疚しくないと言えば嘘になるけど。
健全で誰でも抱く感情だと思う。
(まあ、俺のはイレギュラーなんだろうけど…)
「別に、隠してる訳じゃねぇんだって!」
「じゃあ何で俺に言わねぇんだよ!」
「んなの!当たり前じゃねえか!お前が好きなんだって言えるかよ……あ……」
……言っちゃった……。
End