novel

□俺たちの進む距離
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※天馬ちゃん一人称→俺



「わぁ!これが男の子の部屋なんだぁ!」

「………あぁ、」

「俺、男の子の部屋入るの初めてなんだぁ。」

「………そうか、」

「あれ?剣城?どうしたの?さっきから無口じゃない?」

「……………。」




状況を整理しよう。


まず俺は今日は部活がないから天馬と一緒に下校していたはずだ。


まぁ、いつもならここで他愛のない話をしていたりするんだが、その時の天馬の発言が全ての元凶だ。


「ねぇ、今日…剣城の家にいっちゃダメ?」



と上目遣いで聞いてくる天馬はとても天使でした。


じゃなくて、は!?家!?天馬が!?とその時点で俺はこんがらがってしまった。



「な!ななななななんでだよ!?」

「えーっと…剣城がダメなら…いいんだよ?」

「いやいやいやいやいや、俺はいいんだけど、そのな、あの…。」

「だめ?」



そう可愛く聞いてくる天馬は本当に天使で、断れるはずもなかった。


でも、俺の家に行きたいだなんて…まさか天馬は欲求不満?いや、天馬はそんな積極的じゃない…ならなんで…?───────。




という魂胆で今に至るわけだ。



「剣城ぃ。」

「な!なんだよ…。」

「ギュッてして?」

「は!?」

「え、ダメかな?」



上目遣いでみてくる天馬。

というかかわいすぎだろ。まじ天使てこのことを言うのか。



とか考えているばあいじゃなくて、多分俺はこんな状態がしばらく続けば俺は理性が崩壊してしまうかもしれない。



「い、いいけどよ…。」

「わ−い!」



ギュムっと抱きついてくる天馬。やべぇ、天馬の胸の感触がかなりする。


というかこいつ、普段はジャージばっかで胸とかみえないけどこういうとき、こいつの胸のでかさを感じさせるよな。



って感心している場合じゃねーよ!俺こんなんじゃ理性もたねーよ!



「剣城?」

「はっ!!?」

「さっきから百面相してるけど…大丈夫?」

「あ、は、はははは大丈夫だ。」



なんだなんだ、もう理性がコントロールできねぇよ。


というか、俺の家に誰もいないって…こんな出来すぎた環境で思春期が我慢できっかよ…。



だけど、今ここで天馬の事抱いたらこいつは俺の事嫌いになって泣いてしまうとおもう。



だから…俺が我慢すっしかねぇけどよ…。


やっぱり俺の中の雄は警報を鳴らしていた。



「ねぇ…剣城…。」

「な、なんだよ…?」

「剣城はさ…俺の事とか…。」

「えっ?」

「だ、だ、抱きたいとか…おも、思ってるの?」





そう切なげにいう天馬に俺の思考は完全に停止した。



「な、は?えっ?は?いいいきなりどうしたんだよ!?」

「だって…友達に…ずっと付き合ってるのにキスすらまともにできないなんて…おかしいって言われたんだ…。」



確かに、天馬はキスしようとすると恥ずかしくて隠れてしまう。


だが、いざキスすると沸点を向かえてなんだか気まずくなってしまう。


まぁ、そこがかわいいんだが。



「それに…剣城だって男の子なんだから色々我慢してるって…言われた。」

「天馬……。」

「だから、だ、抱きたいならだ…いて…いいよ…。」



語尾が小さくなり涙目で言う天馬。


だから俺の家に行きたいなんか言いだしたんだな…。



「はぁ…おかしいと思ったぜ。」

「え?」

「いきなり家に行きたいだなんて。どうりで怪しいとおもった。」

「うぅ……。」

「でも、俺は天馬をまだ抱かねぇよ。」

「え?」



ポンと頭に手を乗せて天馬の髪を撫でてやると天馬はきょとんとした顔になった。



「俺らは俺ら。友達は友達だろ。だから無理して先に進む必要なんかねぇよ。」

「剣城……。」

「お前とのそういう事はちゃんと天馬の意見も取り入れたい。だから、無理すんな。」

「つる…ぎ…。」

「な、ちょっ!泣くな!」

「だって、ひぐっ、剣城優しいんだもん…!」



ギューっと俺に抱きつく天馬。


大丈夫、俺は今のままでも楽しいからな。

お前といれるだけで幸せだから。



だから、今しかできない事をたくさんしような。



「でも、あんま無防備だと俺も困るから。」

「え?なにが…?」

「………。気付いてないなら大丈夫だ…。」



だが、まだまだ我慢する事はたくさんありそうだ。


俺たちの進む距離
(剣城だーいすき!)
(だから…ちょっと…。)


end


20万hit記念for長月華様
リクエストありがとうございました!やっぱりにょた天馬ちゃんは書いてて楽しいです(*´ω`*)剣城の事振り回すだけ振り回せばいいよ(・o・)ぇ←そして剣城はたくさんあたふたすればいいよ(^ω^)笑リクエスト本当にありがとうございました!

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