short story

□大切な日々を思いながら
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これの続き


FFIも終わり、サッカーはこの世の中に革命を起こした。


そのはずだった。

みんなが熱く、激しく、時に涙を流し、その悔しさを胸に次に進んでいく。


そんなスポーツじゃなかったのか。



「雷門頑張ってるねー。」

「そりゃ、サッカー界の全てがかかってるからな。」

「それに、あのイシドシュウジって人。どうも好きじゃないんだよね。」

「まぁ……元雷門のマネージャーだからな姫は。」



テレビに釘付けになってる姫。

ついでにここは俺の家。今日は姫が大学の勉強が落ち着いたからと言って遊びに来ている。



「もっと熱くならなきゃ、サッカーは。」

「まぁ、そうだよな。」

「晴矢みたいに、ファイアードラゴンが勝ったら俺と付き合ってくれ。とか言う熱い子はいないのかな?」

「お前……それ以上黒歴史言うと夜、覚えておけよ…。」

「嫌だ、晴矢くんの変態。」



そう、あのイナズマジャパンがファイアードラゴンとぶつかったあのアジア予選決勝。


俺は姫にそう告白した。

エイリア学園じゃなく、本当の俺。本当の俺の強さを見せたくて。


まぁ、負けちまったんだけどな。


だけど、姫はこう言ってくれた。



「あたしがFFIから帰ってきたら、あたしと付き合ってください。」



その言葉を聞いて、俺は笑ってしまった。逆だろ、言う立場。


でも、その言葉はどんな言葉よりも嬉しくて俺はこう返した。



「わかった……ずっと待ってるぜ。だから、必ず優勝しろよ。」



そうして、そんなやり取りをしながら10年。俺たちは今に至る。



「あ、雷門が一点決めた!」

「このキャプテン、よくやるな…。」

「そういえば、円堂くんって結婚してるって知ってる?」

「はっ?」

「夏未ちゃんと結婚したらしいよ。」



俺は思わずポカーンとしてしまった。


いや、円堂にも驚いたが(まぁモテてたからすぐ結婚しそうだったが)一番驚いたのは姫がそんな事を言ってきたことだった。



「夏未ちゃんなら円堂くんを幸せにできそうだよね。まぁ料理を除いて。」

「あ……あぁ、そうだな。」



なんなんだこいつ、もしや結婚願望があるのか…?

いや、俺だってできるなら365日姫と一緒にいたい。


姫の声に起こされて姫の作るごはん食って、いってらっしゃいのキスをしてから会社に……。


ってそうじゃなくて、俺はなに妄想してんだ。



「春奈ちゃんたちもそのうち結婚するのかなぁ…。なんか寂しいな。」

「…………その、」

「あ、雷門勝ったー!!!」



こいつは、俺がしゃべりだす前にまたテレビに夢中になってしまった。


なんだよ。こいつ見た感じ結婚願望なんか全くなさそうなくせに、そんな話いきなりされると困っちまう。


目の前の事に常に一生懸命で、わき道にそれない信念をいい意味でも悪い意味でも持ってる。


まぁ、それが姫の好きなとこでもあんだけどよ。



「いやぁ、いい試合だったね。」

「………なぁ、姫。」

「なに?」

「今はさ、まだ未熟で俺一人じゃ何もできないすっごいバカなんだけどよ…。」

「晴矢……?」

「いつか、絶対姫を幸せにする自信だけは妙にあるんだよ。」



自分でも何言ってるんだっていうくらいくさいセリフ。

姫も思わずポカーンとしている。



「いつか姫を幸せにできて支えられるようになるまで…俺と…一緒にいてくれないか…?」

「それって…。」

「だから…その…あぁ!もう!俺と結婚してくれ!」



言ってしまったあああ。

俺は心の中でギャアギャアとお祭り騒ぎのように叫んでいた。


姫、こんな雰囲気もない場所でいきなりいわれても困るよな。

あぁ、姫。まじごめん。



「そんなの………、」

「え、オイ、姫。何泣いて…、」

「ずっと一緒にいたい人なんて、晴矢以外あるえないじゃん。」



ボロボロと涙を流し、俺の胸に姫はとびこんでくる。


かわいい、あぁ。よかった。
俺はこんなにも姫に愛されてるんだ。



「好きだ…姫。」

「……ありがとう、晴矢。あたしも好きだよ。」

「……ちょっと、もう我慢できない。」

「え!?ちょ、晴矢どこいくの!?」

「ベッド。もう無理。限界近い。」

「ま、まだ昼だよ!?」

「関係ない。それより、姫にふれていたい。」



「もう…。」という姫の声がしたが、俺は無視してお姫様だっこで姫をベッドに運んだ。


「優しくしてよね。」

「さぁ?無理かもな。」

「!?」


とりあえず、今言えることは俺は幸せだ。って事だ。


大切な日々を思いながら
(やべ、そそる。)
(晴矢ってやっぱり変態)


end

20万hit記念forチー様
リクエストありがとうございました!なんだかここまで書くとこの南雲短編に夢優もかなり愛着がわきました(*´ω`*)多分このシリーズは一応これで完結ですね!切ない最初に比べると南雲くんハッピーエンドでよかった(^ω^)←この作品の続編を希望してくださり本当にありがとうございます!そしてリクエストも本当にありがとうございました!

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