愉快な日常

□13
1ページ/4ページ


「この上映室へ入ると…まず急な眠気に襲われる

眠りにつき、しばらくすると夢を見ているような感覚で…頭の中に不思議な画面が浮かんでくる。画面は君の意志を読み取って勝手に先へ進みこう言ってくる“あなたの欲しいものを選択します”」

「………」

「そ…それで…」

「なんだって言うんだ…どうするつもりだ!?

あの女が言うように…“欲しいもの”が例え同じものだとしても人によって状況は全て異なる。“欲しいもの”をこちらから自由に指定できるとも思えん。でなければ…人の夢に入っていくことなど…」

『できますよ』

「……!」

『“今の”シンヤなら多分…』

「そうだね」

「……だが…かなり賭けだぞ…うまくいかなければ彼女は何時間も目覚めない」

「…!!(ゴクッ


す、座ればいいんですよね!?」

「!!それは…そうだが…」

「私やります。やらせてください!!」


そういってシンヤは席に座る


「…鏑木さん。僕たちで…刀哉くんを助けよう。必ず…!」

「!!は…はい!!!」


そして僕もシンヤの隣に座る

そして手を重ねた



「!!……優…くん//?」

『僕も一緒に行くよ。必ず3人で戻ってこよう』

「……うん!!」




















「ここは…工場?」

『人もいないし荒れてる…廃工場だね』

「刀哉は…」

「ねーちゃん!?優先輩も!!」

「と…刀哉…」

「なんだよ!せっかく助けに行こうと思ったのに…結局ひとりで片付けちゃったわけ?相変わらず助け甲斐ないなー」

「………あんた…本当に…本当の刀哉…なのね…?」

「はぁ?なんだよそれ…な…何…言ってんの………」

『………ん?』


するといつのまにやら武器を持った怖そうなお兄さんたちが“こっちの世界”のシンヤを人質に捕えていた


「なに…言って……………!!?


………“向こう”…の…ねーちゃん……!?なんで…どうして…ここに……!!」

「“どうして”…?どうしてって………そんなの………!!そんなの…


あんたが心配かけるからに決まってるでしょ!!」

「………」

『……』

「ねえ…帰ろう刀哉…!みんなあんたの帰りを待ってる…」

「!」


シンヤが刀哉の腕を掴んだがそれは虚しく、振りほどされた


「!?」

『刀哉…!』

「刀…」

「また…だよ…!!


また…泣いた…!!なあ…なんで泣くの……!?」

「!?…えっ…」

「覚えてるだろこの廃工場……!昔…常伏に転校する前の話…」






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ