愉快な日常
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「この上映室へ入ると…まず急な眠気に襲われる
眠りにつき、しばらくすると夢を見ているような感覚で…頭の中に不思議な画面が浮かんでくる。画面は君の意志を読み取って勝手に先へ進みこう言ってくる“あなたの欲しいものを選択します”」
「………」
「そ…それで…」
「なんだって言うんだ…どうするつもりだ!?
あの女が言うように…“欲しいもの”が例え同じものだとしても人によって状況は全て異なる。“欲しいもの”をこちらから自由に指定できるとも思えん。でなければ…人の夢に入っていくことなど…」
『できますよ』
「……!」
『“今の”シンヤなら多分…』
「そうだね」
「……だが…かなり賭けだぞ…うまくいかなければ彼女は何時間も目覚めない」
「…!!(ゴクッ
す、座ればいいんですよね!?」
「!!それは…そうだが…」
「私やります。やらせてください!!」
そういってシンヤは席に座る
「…鏑木さん。僕たちで…刀哉くんを助けよう。必ず…!」
「!!は…はい!!!」
そして僕もシンヤの隣に座る
そして手を重ねた
「!!……優…くん//?」
『僕も一緒に行くよ。必ず3人で戻ってこよう』
「……うん!!」
「ここは…工場?」
『人もいないし荒れてる…廃工場だね』
「刀哉は…」
「ねーちゃん!?優先輩も!!」
「と…刀哉…」
「なんだよ!せっかく助けに行こうと思ったのに…結局ひとりで片付けちゃったわけ?相変わらず助け甲斐ないなー」
「………あんた…本当に…本当の刀哉…なのね…?」
「はぁ?なんだよそれ…な…何…言ってんの………」
『………ん?』
するといつのまにやら武器を持った怖そうなお兄さんたちが“こっちの世界”のシンヤを人質に捕えていた
「なに…言って……………!!?
………“向こう”…の…ねーちゃん……!?なんで…どうして…ここに……!!」
「“どうして”…?どうしてって………そんなの………!!そんなの…
あんたが心配かけるからに決まってるでしょ!!」
「………」
『……』
「ねえ…帰ろう刀哉…!みんなあんたの帰りを待ってる…」
「!」
シンヤが刀哉の腕を掴んだがそれは虚しく、振りほどされた
「!?」
『刀哉…!』
「刀…」
「また…だよ…!!
また…泣いた…!!なあ…なんで泣くの……!?」
「!?…えっ…」
「覚えてるだろこの廃工場……!昔…常伏に転校する前の話…」
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