愉快な日常
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「ちょ…ちょっと!あんた…」
ドアを開けたのはシンヤだった
「鏑木さん」
「!?」
「あ…」
人違いしちゃったね
「ちょうどよかった…彼…君に用事のようだよ……」
「なんだ面白くなってきたな。おいちょっとそこのミカン全部よこせ」
『あ、まだ食べて……』
「か…鏑木さんってそんなに強かったの…!?」
「そこもまたミリョク的なんじゃねーか」
「コホン!
ひ…人違いだと思いますけど……?」
『(デジャヴ?)…あ』
藤はミカンを入れてあったカゴごと投げた
案の定シンヤはカゴごとミカンを粉砕した
笑顔で
『ミカン…(泣)』
「ま、また持ってくるからι」
「おお…」
とりあえずシンヤに拍手をおくる
「やっやめてよ──!!こういうの反射的にやっちゃうんだか…ら……あ…」
「…鏑木…あの鏑木…女…!?冗談じゃねぇ…こんな…女に……!!兄貴ら全員…歯が立たなかったってのか…!!」
『(そりゃ小さい頃からずっとやってんなら…ねぇ…
僕も一回潰したことあるし)』
「(えっ?!)」
『(あ、ヒラ学じゃないよ)』
「(いや、そうじゃなくて…えぇ?!)」
「(優、お前どんだけすごいの?)」
「女は…殴れねぇ……」
「(た…助かった──!!)お…お優しいですね!殿方の鑑ですわ」
『(何時代…?)』
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