愉快な日常

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『コンビニ?』

「以前ここを通った時気になるものを見てね…それを逸人くんにぜひ確認してもらいたいんだよ」

「気になるもの…?」

「私が君に頼ることといったらひとつしかないよ」

「『…?』」

「……」


するとコンビニから常中生がでてきた


「なるほど……こういうことですか」

「なんだ?もう見つけたのか」

『?……なるほど』

「岩田くんもわかったのかい?」

『はい、まぁ。僕が三途川先生でもハデス先生に頼みますし…』

「ほぅ…」

『というか知る限りでは先生しかいませんし…』

「それもそうだね」

「(な…何の話…?優はわかったみたいだけど…)」

『郁ーいくよ』

「う、うん!」







―――――――――――
―――――――


「君…ちょっといいかな?」

「…!!?あ…う…うそだろ、あんた保健室の…なんで!?…」

「有名人だねぇ」

「カバンを…隠したね。何か見られると困るものでも入ってるのかな…?」

「……」












カバンをあけ、そのなかに入っていたのは
大量のお菓子や飲み物やらだった


「…!!これ…全部あの店で…?…」

「じ…自分でもわかんないんだ……なんかやっちゃうんだよ!何度も…お…俺だってこんなこと…したくてやってる訳じゃないのに

止まらなくて…!!

自分で止められないから誰かに止めてもらおうと思ったんだ。でもどんなに大胆にやっても全然バレないし…!
自首してもヘンな奴扱いされるだけで…もう俺どうしたらいいか…!!」

「………(こ…これって…)」

『(自首までしてきたのか…)』

「“病魔”かね?」

「!?」

「“盗人(スティーラー)”という病魔に症状が似ています

ひどい盗癖とそれを助長する人の目をくらます能力がある」

「そうか
やはり君に頼って正解だったな」

「(知ってるんだ…病魔のことまで…!)」

『(ハデス先生との付き合いはもっと前からってことか?)』

「さて…安心してね…君の中の悪い虫は僕が根こそぎいただくから…」

「ひ…」


先生怖いです

顔も台詞も…








・・・・・・・・・・
・・・・・・・


しばらくして生徒はハデス先生に礼をいい、帰っていった


「……」

「ん?何か言いたそうな顔だね」

「えっ!?」

『まぁさっきからチラチラみてたしね』

「な…病魔のこと…ご存知なんですね」

「アシタバくんもね。まあ逸人くんと付き合うということはそういうことだ」

「付き…えっ?」

『ま、まさか』

「さて…私もそろそろ御暇するか」

「おや…もう行かれるんですか?」

「私の用事は以上だよ
邪魔をして悪かったね

おっと…そうだ


アシタバくん、岩田くんちょっと」

「『?』」


とりあえず三途川先生に歩み寄った



「君の先生は外見こそあんなだがとても心根の優しい子だ

これからも逸人くんをよろしくね」

「えっ…」

『どういう…』

「それじゃあ、またいずれ」

『さ、さようなら…』

「……」

「何の話…?」

「あっ!?いや別に変な話じゃないですよ!ただ…」








ザアッ


「!!!」


こちらに勢いよく走ってきてたのは…



『やば…ι』



「…さ…捜したわ…」






シンヤでした



「あっちこっち動き回って……置いてくなんてひどいじゃない!!」
「鏑木さん…?」

「あ…!!」


郁も忘れてたのか…ι


『し、シンヤごめんι』

「岩田…くんは、許すわ!!」

「えぇっ?!」

「先生っ!!」

「?」

「さっきの女性の方……先生にとってどういう方なのかお聞きしてもよろしいでしょうか!」

「えっ?」


あ、あれ…そんな直球で聞くのι?


だったら今までのは………ι







・・・・・・・・・・・



「何から話したものか…そうだね……

病魔の脅威は君たちも体感したと思うけど…僕も…丁度君たちと同じくらいの年の頃に病魔にかかったことがあってね」

「!!えっ…」

「(中学生のハデス先生…?)」

『(だからそんな詳しいんだ…)』

「それはもう悩んで苦しんで…心が押し潰されそうになったけど

でも僕には味方がいた


ひとりの先生と…3人の友人」

『…(友達いたんだ)』←

「彼女はその時の恩人のひとりなんだよ」

「へーっ
コドモみたいな人だなあと思ってたけど意外と…」

『郁、失礼だよ…ι』

「あι」

「古くからのお知り合いだったんですね」

『あ、だからあんなに病魔のことなれてる感じだったのか』

「僕の件依頼病魔について熱心に研究してくれたようなんだ

素晴らしい先生だよ」

「へえ〜〜」


いや、へえ〜じゃなくておかしくない?


「ん!?」


あ、郁が気づいた


「“先生”?先生が…なんで“先生”?」

『ややこしい…ι』

「?なんでって………


三途川先生は僕の恩師だけど何か……」

「ウソぉ!!?恩人ってそっち!!?」

「あ…あの若々しさで………」

『スゴ…』

「なぜか10年以上前から外見が変わらないんだよ…女性は不思議だよね」

「(ふ…フシギで済む問題かなあ……)」

「あっ…いっけないもうこんな時間!?」

「何かあるの?」

「あるの!!6時から空手の稽…


…ピアノのレッスンがあるので…私、お先に失礼します」

「(一応空手続けてるんだな…)」

『頑張れよー』

「う、うん!あ、岩田くん!!」

『?』

「今度、相手してね!じゃ…」

『あ、うん…』

「岩田空手やってるの?」

『やってる…というかやってた』

「あ、だから鏑木さんと知り合いだったんだ?」

『まぁねー』

「なんでやめたの?」

『…………』

「(こ、この質問もしかしてダメだった…?!)」

『つまらなくなってさ、』

「空手が?なんで?」












『だって自分より強い人なんてでてこないし』



「………」


そういえば、鏑木さんが病魔にかかったとき、優は…



“これ以上強さを求めたってなぁ


その先にはなんもねーんだよ!!”


なんて言ってたっけ…




なんであんなこと…?

…今はまだ聞かないけどいつか聞けたらいいな










―――――――――――
―――――――


「アシタバぁっ!!優っ!!おまえら…

昨日の放課後シンヤと駅前にいたっつー目撃情報はマジなのかっ!!?」

「えっ!!?い、いやそれは…」

「へェー意外な展開だな…って優も?」

「洗いざらい全部吐きやがれこの野郎!!」

「ちょ…誤解だってば!ね!優っ!!」

『僕は郁が気になるからついていっただけだよ』







沈黙






『え?なに?』

「…い、いや//」

「お、お前そうだったのか…」

「……」

『はぁ?』



なんでかわかんないけど郁は顔赤いし美作は意味不明なこといってるし…


麓介に関しては…なんか怒ってる感じだし



なんなんだ?一体………





END
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