愉快な日常

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「今度はアシタバくん…?

ずいぶん派手に転んだね…大丈夫?」

「!!!あ…せ、先生!?ハハ…どうも偶然ですね」


郁はそういうと後ろを振り返った


[情報を引き出して]


とスケッチブックに書いてあった


あれはシンヤか…

ていうかスケッチブックなんて持ってきてたっけ?

郁は郁で顔青いし…


「顔色が悪いけど本当に大丈夫…?具合が悪いんじゃ…」

『いや、郁はもともと青ざめやすい体質なんですよっ』

「そ、それより先生…あの、えっと…」

「?」

「せ…せっかく偶然お会いできたことだし…その、しばらくご一緒させてもらってもいいですか?

ぼ…僕、先生のこともっと知りたいんです!!(なにやってるんだろう僕は)」

『あ、僕も…(諦めろ、郁)』
















「生徒に興味を持ってもらえるなんて……」

『……ι』

「初めてだよ………教員生活史上……」

「(ど…どうしようなんか感激されてる)」

『(初めてて嬉しかったんだろうね…)』

でも普通先生と出掛けないよね?←



「さあ…何が知りたい?なんでも聞いてね」

『そ…そうですね…』

「えっと…」


シンヤの方をチラッと横目でみるとスケッチブックには




[独身ですか?]



と書いてあった


『(え、いきなりそれ言っちゃうのι?)』

「(自分で聞いてよそんなことー!!)」

「こ…今度は顔が赤いよ…カゼでもひいてるんじゃ…」

『郁はもともと赤くなりやすい体質なんで大丈夫ですよ』

「(でも正直それくらいなら聞かなくてもわかるけどな

失礼だけど女性の影があるようには)」

『(ホントに失礼だな…)』

「(でもそう思わない?)」

『(いや、意外にゴスロリ系のロリコン好きかもしれない)』

「(いや、それはないと…)「逸人くん?」…?」

「あ…」

「この風景にそぐわん人間がいると思ったら………やはり君だったか」


振り返ったその先には



ゴスロリちっくな服を着た小さくて若い人でした。



「(えっ!!?ちょ、優当たってんじゃん!知ってたの?!)」

『(まさかそんな…そんな趣味だったとは…)』

「(適当にいってたの?!)」


いや、ふつー適当でしょ?

まあ、ありえなさそうなパターンを言ってみただけだったんだけど


「(と、というかハデス先生に平気で話かけられるってことはこの人知り合い?
いや…そんなことより今なんて言った?
“イツヒトくん”!?いつひと…
“逸人”って確か……)」

『(先生の下の名前…)』

「あ…あの、ハデス先生、まさかと思うんですけどこの人は…?」

「?いや…まさかも何も、この人は」


な、なんだ?この人はなんだ…?


「ああ、自己紹介がまだだったね

三途川千歳が本名になる

今後ともよろしくね」

『どうも、こちらこそよろしくお願いします』

「あ!ど…どうもはじめまして……」



あ。

そういえばシンヤ…忘れてた…



そして後ろを振り向くとスケッチブックに


[続行]


と書いてあった


しかもさっきより太く、大きく


『(どんだけ気になってんの…ι?)』

「(そもそもなんで僕こんなことするハメになってるの…?)」

「そうだ逸人くん。明日にでも君に相談しようと思っていたんだが


君たち」

「えっ!?」

『ι!』


か、顔が近い…ι


「悪いが先生を少しの間借りても構わないだろうか?
よければ君たちも一緒に来てくれると嬉しいが…」

「(“相談”…に僕たちも一緒に?
ついてって大丈夫なのかな…)」

『(さあ?まぁいいんじゃない?)』




――――――――――
――――――――


「そうか、君らがあのアシタバくんと岩田くんか」

『僕たちのこと知ってるんですか?』

「ああ…ごめんね僕が話したんだよ」

「勇気ある保健室の利用者だそうだね」

『……ι(ゆ、勇気ある…)』

「(そ…そんなことまで話す仲なのか…)」

「保健室にはよく行くのかな?」

「そうですね、行くっていうか」

『保健室で寝てる友達にプリントや手紙やマンガなんかを届けに行かされることはよくありますけど』







「おっと…そうだなこのあたりなら見つけ易いか」




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