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「お邪魔しまーす」

「ドアを早く閉めろ」

「はいはい。ごめんね」

「むぅ」

「庵の家、寒いね」

「節約だ。暖房なんかつけれん」

「今度から着込んでくるわ」

「そうしろ」

「まあ、寒い方が好都合だね」

「何故だ」

「鍋の材料持って来たんだ!寒い方が、鍋で温まる幸せを感じるってもんよ」

「鍋か」

「台所貸してね」

「おい名無し、冷蔵庫は三秒以上開けるなよ。水も出しっぱなしに気を付けろ」

「はいはーい」





「庵、テーブル拭いてー」

「ああ」

「箸とポン酢とお茶とコップも持ってって!」

「……仕方無い」

「働かなきゃ食べれないからね」

「ぬぅ」



「はい。お待ちどおさま」

「腹が減った」

「じゃあ、手を合わせていただきます!」

「頂きます」

「やっぱ鍋にはポン酢だね」

「肉は俺のだ」

「判ってるよ。野菜と豆腐で我慢します」

「………お前にも少し肉をやる」

「良いの?」

「特別だ」






(嬉しそうに肉を食う奴だ。もう一枚くらい名無しにやれば、もっと喜ぶだろうか)




 

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