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「庵んお邪魔しまーす!」
「よく来たな」
「庵んの家は今年も暑いねー!まったく!」
「仕方がないだろう」
「クーラー付けようよ!新しい機種だったら、電気代も安くなるんだって」
「このクーラーは最新機種ではない。10年前の機種でしかも中古だ」
「………」



「いおりーん!そうめん茹でるから手伝ってー!」
「ぬぅ」
「そうめんってさ、すぐに茹でられるけど、お鍋にたっぷりのお湯を沸かすのに時間が掛かるんだよね」
「そうだな。ガス代も節約せねばならんしな」
「ん。だからさ、行け庵ん!連続闇払いだ!」
「!?」
「ホラ、私がお鍋を持ってるから、下から絶えずに闇払いを当ててよ!高火力でお願い!」
「……ガス代の為だ。仕方あるまい」


「庵んもうちょっとだ!」
「どうしたぁ!どうしたぁ!」
「ちょっと、それ言わないと闇払いできないの?」
「むぅ…」
「あ、沸いた!ありがとう!」
「ふ、ふん…」
「美味しく作るからね!」



「お待たせー!」
「手打ちの味が自慢です。代々木駅前徒歩一分、出前迅速、そば処 八神庵。更に今なら女子高生に人気のオロチグッズもプレゼント。出汁にはこだわる本物の味、そばを食べるなら、そば処 八神庵!喰え、すすれ、そして死ね!」
「蕎麦じゃないしそうめんだし」
「そうだったな…」
「庵ん蕎麦屋さんやってたの?」
「………昔、な…」
「へー、意外な過去。あ、薬味持ってくるの忘れた」






(名無しと蕎麦屋をやったら、名無しの笑顔で大盛況間違いなしか。いや、でも名無しの笑顔は俺にだけ向けていればいい)

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