KOF2

□現代人なのか
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「ねえ、デュオロンってインスタント食品食べた事ある?」
「イン…?いや、無いと思うが…」
「美味しいから食べてみなよ。カップラーメンとかさ、今はもう本当に凄いから」

特に麺が凄いんだよと、常に買い置いてあるカップ麺の中から一つ取り出して、慣れた手付きで調理していく。

「全て固まっているぞ」
「でもね、ほら。お湯を注ぐと出来ちゃうんだよ」
「何!?面妖な…!」
「…面妖?後は三分待つだけからね」
「こんなに乾いた物がお湯を入れただけで食べられるのか!?」
「うん。そうだね」
「湯を注いでも器は溶けてしまわないのか!?」
「うん。そうだね」
「世の中は便利になったものだな」
「アンタいくつよ」

そんな他愛もない雑談をしている内に三分が経ち、カップ麺は食べ頃になった。
蓋を剥がし、デュオロンに差し出す。

「どうぞ。召し上がれ!」
「頂きます」

つるつると美味しそうに麺をすする姿を見て、名無しは満足そうな笑みを浮かべた。

「美味しい?」
「ああ。あの乾いていた物がこうも美味くなるとは…!器も溶けてはいない」
「デュオロンさ、初めて車見た時に鉄の猪が襲ってくるぞ!って言ったでしょ」
「な、何故知っている!?」
「いやあ。何となく…」
「テレビとやらを見た時も驚いた」
「だろうね。それよりさ、デュオロンもカップ麺常備しとけば?」
「いや、食べたくなったら名無しの所へ来ればいい」
「食費浮かそうと思ってるでしょ!?」
「…………」

名無しに会いたいが為に行くのであって、食事をたかりに名無しの家へ行くと言う意味で言った訳では無かったのだが、そうは伝わらなかったらしい。
私も食費が危ないからと、当分出入り禁止にされた。

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