SNK

□nachs
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吐いた息は白くなって消える。
肌に突き刺さるような寒さとはまさにこの事で、露出している顔や手が、痛いを通り越して感覚が無い。
竜誠が繋いでくれている右手が暖かく、この凍え死にそうな中で唯一の救いだ。

「さ、むい」

ガタガタと歯を鳴らしながらやっと声を出すと、竜誠は握ってくれている手を自身の上着のポケットに入れた。

「もうすぐ着くから頑張れよ、な?」
「ん」

短く返事をして、目的地のスーパーへと急ぐ。
こんな日には辛いチゲでも食べようと気軽に出かけたが、その道のりは険しいものだった。
早く、竜誠特製のチゲが食べたいなと、白い息を吐いた。

「名無し。スーパーは暖かいから、それまで我慢」
「うん、我慢」
「良い子だな」

名無しの頭を撫で、笑った。
竜誠の温もりに触れれば、どんな寒い所でも幸せな気分になれる。
少し自信家ですぐ調子に乗るが、名無しにとっては良い彼氏でしかない訳で。
竜誠が大好きだなと、何度も思う。

「竜誠。私は竜誠の事、大好きだよ」
「ははっ。何だよ急に?」
「大好きだなって思ったからさ」
「俺も大好きだぜ」
「知ってる」

この先ずっと。
春夏秋冬、離れられそうにない。

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