KOF

□優雅な一日
1ページ/1ページ


メイドと執事が次々にケーキやらクッキーやらを運び込む。
瞬く間に目の前の豪勢なガラスのテーブルは、数々のお菓子で溢れかえっていた。

「……凄い」
「さ、沢山食べなさい」

アーデルハイドは名無しの前にチョコレートケーキとフォークを差し出し、紅茶をカップに注ぐ。

「あ、ありがとう」
「美味しいぞ?名無しの為にフランスから取り寄せたんだ」

地元のケーキ屋さんで十分なのに、何と言う無駄遣いなんだと考えつつも、目の前の甘い誘惑を遠慮できる程、名無しは我慢強くはない。

「頂きます!…ああ美味しい」
「そうかそうか」

ケーキを口いっぱいに頬張り幸せそうな顔をしている彼女を見ながら、アーデルハイドは笑顔で頷く。

「アデルは食べないの?」
「ん?食べさせてくれるのか?」
「え?」

全くそんな事は言っていないのだが、もう既にアーデルハイドは口を開けて待っている。
仕方がないので名無しはケーキを一口大に切り、突っ込んだ。

「美味しい?」
「ああ、名無しに食べさせて貰うと格別だな」

二人で微笑み合いながら、キスをしたり手を握ったりとイチャイチャする。

「名無し、後からプールに行こうか」
「…プール?」
「ああ。名無しの為に庭に作ったんだ!」
「………庭にプール作ったの…」

優雅だなと言うか、お坊ちゃんって怖いなと名無しはつくづく思った。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ