KOF

□七夕
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「名無し、ほら!天の川だ!」

ベランダに出て空を見上げていた零児は、はしゃぎながら名前を呼んだ。
名無しはテレビ観賞を中断して、零児が待つベランダへと急いで出た。
上を見ると、真っ暗な空の中に無数の星の川が広がっている。

「うわあ、凄い…」
「だろ!綺麗だな」

オレンジ色の髪の毛を掻き上げながらうっとりと見上げる零児を見て、名無しは愛おしく感じる。

「なあ名無し、短冊作ろう!」
「短冊?今から?」
「ああ、願い事書こう!ずっと一緒に居られますようにって」

零児はにっこりとして名無しの手を取り、甲に一つキスを落とす。
いい年をしているのに、彼はすごく無邪気で明るくて、いつも名無しを照らしてくれている。

二人は家に入り、折り紙を切って短冊を作った。
お願いを書き、穴を開けて糸を通し、流石に竹は無かったのでベランダの手すりにくくりつける。

「お願いなんてしなくても、俺と名無しはずっと一緒だけど、な?」

名無しは零児を見つめてから一つ頷いた。
永遠の愛を、沢山の星の下で願う。

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