KOF

□今日は何の日?
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今日は6月の第一日曜日。名無しとシェンは家でゆっくりと過ごしている。

「何もやってねぇ…」

テレビのリモコンで次々に番組を変えながら、シェンは溜め息混じりの声を上げた。

「バラエティ見ようよ、バラエティ」
「格闘はねぇのかよ」

何度チャンネルを変えても見たい格闘番組は無く、名無しの希望通りのバラエティ番組にチャンネルを合わせ、リモコンを置いてソファーにどかっと座り込んだ。

「あ、ねえ、今日は何の日か知ってる?」

シェンの顔を覗き込み、何か裏があるような満面の笑みで名無しが問いかける。

「は?…母親大会記念日か?」
「そうだけど、他のやつ」
「計量記念日」
「計量記念日は現在11月1日だよ」
「…他に何かあんのかよ?」

誰も知らないようなマニアックな記念日を、スラスラといとも簡単に思いつくシェン。
何を隠そう、彼は意外にも常識人である。
名無しは、顎に手をやり考え込むシェンの隣に座り、彼の体にもたれかかる。

「今日はね、プロポーズの日なんだって」
「……なんだって?」
「プロポーズの日。シェン、プロポーズは?」
「あ!?ンなもん、い、言われてするもんじゃねぇだろ!」
「ま、確かにね」

名無しはやけにあっさりと肯定して、苦笑いを浮かべたままソファーから立ち上がった。
シェンは何処かに行こうとする彼女の手を引き、自分の方に引き寄せ、膝に座らせる。

「…あー、プ、プロポーズはその内すっから、待ってろよ」
「…うん」
「名無し、好きだ」

改めて感じる好きだと言う思いと共に、シェンは後ろから名無しを力いっぱい抱きしめた。


 

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