小説
□それでもその子は愛していました
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おかあさん、
は、
おれをあいしてはくれませんでした。
「 それでもその子は愛していました 」
あるところに、小さな男の子が居ました。
その子は奇抜な髪型をしていて、とても痩せています。
何故なら、
その子は、おかあさんに妙な髪型にされたからです。
ご飯はおかあさんからは与えられなかったからです。
その外見のせいで、
その子は嫌われ、いじめられていましたが、
それでもその子は、
母親を愛していました。
しかし、
どれだけ殴っても殴っても
自分に笑いかける子供を見て、
余計に母親はいらいらします。
しかし、
その子は母親の心など知らず、
殴られても蹴られても焼かれても首を絞められても
ただ、笑いかけるだけでした。
そんな我が子を気に入らなかったのか、
母親の虐待はどんどんエスカレートしていき、
ついに、包丁を取り出しました。
殴られても蹴られても焼かれても首を絞められても
効かないのなら。
…そうして、
ぷしゅ、という音と共に、
その子のお腹は裂かれました。
「ひぎゃぁああ゛あぁっ」
切る、という感覚は初めてでした。
こんなにも綺麗な噴水のような血は、
初めてでした。
…だから、その子は泣いたのです。
母親は、笑っていました。
―――…また、さかれました。
おなかはもうほうたいだらけです。
しかもじぶんでまいたので、
ゆるゆるなほうたいは、
そのやくめをはたしてはいませんでした。
…はじめて、おかあさんがこわくなりました。
ちはにがてです。
しんでしまう、と、
そのたびにおもうからです。
きがつくと、
おれはちをながしてりびんぐにたおれています。
そうして、じぶんでほうたいをまいて、
でもそのうえからまたさかれて。
…そのくりかえしです。
おれは、
もう、
いやでした。
こわいです。
いたいです。
だれか、たすけてください。
「さぁ、あきお。
お腹を裂く時間ですよ」
だれか、
たすけてください。
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