小説
□あなたの死に顔
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前から自分が変だということは分かっていた。
でも、まさかあの人にこの感情が向くなんて。
「カカシさん」
…まさか、この人を殺したいと思うなんて…。
「あなたの死に顔」
――いつしか、俺は暗殺部隊の一員になっていた。
相手を殺したい訳ではなかったが、
里を守るためには仕方のないことだ、と自分に言い聞かせて多くの敵を殺してきた。
今思えば、それは「里のため」という正当な理由をつけた、立派な殺人だったのかもしれない。
…ただ、自分が意識していなかっただけで。
…いや、もしかしたら気付きたくなかったのだろうか。
…その感情に気づいたのは、
もう、
ずっと前の事だ。