Mission in Christmas

□Mission in Christmas7
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チョッパーのバースデーサプライズパーティーとクリスマスパーティーを一緒にするから、みんなみんな協力するんだ、とルフィに言われて、みんな色々な物を作ってるの。考えて少し、可笑しかったわ。クリスマスパーティーなんて博士が開いてくれてプレゼントをくれるばかりで、自分で開いたことなんてなかったもの。


私は、ウソップからクリスマスの飾りを作るように頼まれたわ。沢山の色紙。色紙の中に銀色や金色に光る物があるなんて知らなかった。


最初はうまく作れなくて、ウソップが丁寧に教えてくれたの。彼の教え方は面白くて、私はすぐに覚えられたわ。素敵ね、と褒めたらあの鼻の先まで赤くなって、ふふっ、本当に可愛い先生だったわ。考古学の勉強以外でこんなにおもしろいものもあるのね。


「筋がいいからあとはお前一人でできる!なぁに、わからないことあったらウソップ先生まで気軽に聞きに来ればいい!」


ウソップは笑いながら甲板に向かって行ったわ。私も笑顔で送り出して、甲板の隅で作業を続けることにしたの。


先程まで色紙の輪を鎖のように繋げる作業をしてたけどすっかり完成したから、今度は光を美しく反射する色紙で蝶を作っているの。彼が型紙を残していってくれたから、それを色紙の上でなぞり、切っていく。なかなか細かい作業よ。


でも、もう、だいぶ慣れて作れたから、フランキーが置いてくれたミニストーブで手を暖め、コックさんが煎れてくれたコーヒーを飲みながら少し休憩。ゆっくりと辺りを見遣れば、雪が海に吸い込まれていく様子や木が雪をはねて音を立てる様子が見えて――


「…あら?」


私の目に映ったのはさっき切ったのと同じ形と色をした蝶。冬にあまり見られないから、風に飛ばしたかしら、と最初は思ったけれど。視界を寄せてみれば触角をぴくぴく動かして、羽をゆっくりと動かして空を舞っている。


「綺麗ね」


羽を傷つけないように、指で少しだけ突いたら、こぼれ落ちた鱗粉。蝶はびっくりしたように私の指先にそっと舞い降りた。


「指に蜜はないわよ」


笑いながら呟く自分が可笑しい。少し前なら蝶に話し掛ける余裕なんてなかった。やっぱりこの一味に来て、何か変わったということかしら。


蜜がないのかわかったのか、ひらひらと蝶は私の指から飛び立って。いい香りが常に漂い続けているキッチンの方に向かって飛んで行って、私の指先に戻って来た。もしかしたらお腹が空いたのかしら。行動がルフィにそっくりね。


「今日は、少しね」


コックさんに聞いたら、何か蜜の代わりになるようなものはあるかしら。


「…欲しいなら、明日またいらっしゃい」


あなたの好きそうな甘い甘い食べ物がいっぱいの、楽しい宴が開かれるから。
そう呟いて笑ったら、蝶が少し嬉しそうにした気がした。


ふふっ、わたしも楽しみにしとくわ。


――――――
第七弾。ロビンちゃんと飾りとちょうちょ。
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