銀総受け・主に土銀
□いつも会えたらいいのに…
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神楽達に見られると『またした』とか言われる。対応するのがめんどくさい。
すぐに服を着て寝室から出た。涼しく感じる居間。神楽はまだ寝ていて、定春はソファーの上ですやすやと寝ている。
ということは新八はまだ来てなく、静まり返っている。
「どうすっかな…」
定春の寝ているソファーとは違う向こう側のソファーに寝転んだ。起きてもすることないし…仕事しろとはよく言われるけれどめんどくさいし…。何もしたくないこの気持ちってなんて言うんかな。他の人とか土方は絶対“それはナマケだ”とか言う。
ナマケる気持ちはないのだけれど、何もしたくない。強いて言うなら土方に会いたい。
電話も一本も寄こしてくれない。常にアイツの言い訳はこうだ。「時間がない」聞き飽きるほどのいい訳だ。でも本当のことだからそれ以上に言うことができなくて…かと言って捨てたくない。
「土方…土方…」
口に出して呼んでも来る事なんてない。そんなの当たり前だ。
(……。ちょっと待て。何あのマヨラーのことで悩んでんの?どーでもよくね?何だよアイツ。ウゼェ…)
恋人だから考えるっていう乙女思考は何だ?どこから乙女みたいなった?いつからこんな風に思うようになった?
……間切れもない、土方のせいだ。
アイツに会ってから…付き合い始めてからこんなことを考えるようになったけ……?多分そうだ。
許したいけど、許したくない。憎いけど愛しい。常に矛盾している俺。
絶対に土方のせいだと思う。こんなに必死に考えるなんて自分の命が危ない時にしか考えない。
「おはよう御座います」
ガラガラと戸を開ける音が玄関から聞こえた。新八が来たようだ。居間に来た新八は俺の顔を見て
「銀さん珍しいですね…こんな朝早く…」
「何か早く目が覚めた…。後、今日はずっと寝込んでおく。腰痛いし」
「そ…そうですか…っていうか、いつもと変わらないでしょうが!!」
「あ〜うるせぇよ。黙れダメガネ。こっちは病人だよ?」
「腰痛いだけで病人はおかしいでしょ!」
「五月蝿い五月蝿い。もう黙ってろって」
曇っていた心が晴れたようだった。でも完全ではない。アイツに会えるなら完全かもしれないが…
「って何でまたアイツのこと考えてんだァァァァァ!??」