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□ブランコ
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キィ… キィ…



真夜中の公園に幼い子どもが独り、ブランコに乗っていました。




公園の周りは家の明かりすら届かないほど暗く、唯一あるベンチの横の電灯が仄かに子どもの青白い頬を白く浮かび上がらせていました。




こんな時間に一体誰を待っているやら、子どもは俯いたまま顔を上げようとしません。




それでも錆びた音は途切れることなく、キィ…、キィ…と鳴り続けます。




泥に塗れた小さな靴で地面を緩く蹴れば、それはキィ…と音をたてて揺れ続けます。




ブランコは子どもの代弁者





錆びた音は心の悲鳴、揺れる木の板は子どもの心





2011.3.1
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