short dream<U>

□I wish…
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y「…これ、おいしいね」

「…うん」



お互い、口数は多い方ではない。
会話が途切れることも珍しくない。
でもさ。



y「疲れた顔してる。仕事、たいへんなの?」

「yukihiroさんほどじゃないよ」



ひさしぶりに会った君からは俺が好きだった笑顔が消えていて。
あぁ、また心が痛いって言ってるみたい。

食事して。
買い物して。
見た目は立派なデート。
もう何度もしてる。
友達として、だけど。





いつものように車で君の家まで送る。



「今日はありがと」

y「ううん、俺のほうこそ、いつも急なお誘いでごめんね」

「yukihiroさんのお仕事ならしようがないよ。私もちょうど休みだったし、よかった」



一瞬の笑顔。
それだけでうれしくなる。



「じゃ、またね」



ドアに手をかけたとき、君の肩を捕まえてた。



「…どうしたの?」



次、会えるのはいつ?
それまでに君は元気になる?

…俺の想いは君を苦しめるだけ?
病んでる君の心を乱すだけ?



伝えたいけど、伝えられない。
君が大切だから。



y「…ほこり、ついてた」

「ほんと?ありがと。じゃあね」

y「うん」



後ろ姿を見ながら、次会う時は笑顔の君に会いたいと思った。





<I wish…>

隣にいる俺に気づいて




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