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□after episode 1
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結婚式から半月。
国内ツアーの合間の空白の時間。
「…ひさしぶり」
ｙ「そうだね」
大きなキャリーケースを持って到着した場所は成田空港。
ここに来るのは前回のL’7のツアー以来だ。
「思い出しちゃう」
ｙ「ん？」
「前にパリから帰国した時のこと」
ｙ「なにかあったっけ？」
「…ユキは覚えてないだろうけど」
到着ロビーを歩くとあのときと景色が重なる。
「成田に着いて、メンバーはマネージャーに囲まれて歩いてたの。ちらほらファンの姿もあったし」
ｙ「うん」
「私はユキとはけっこう離れてて。このまま解散か、ちょっと寂しいなって思ったとき、ユキ、マネージャーの包囲網を抜け出してきたんだよ」
視界の端に捕えていたはずの人がいなくなってて。
気づいたときには隣にいたんだ。
「すごいあたふたしてる私を見て笑って。お疲れさまって言ってくれたの。それがね、すごくうれしかったんだ」
ｙ「…覚えてるよ」
「ほんと？」
ｙ「うん。だって、あのとき、ほんとは…」
チュッ。
目の前が一瞬暗くなって。
すぐに微笑んでるユキが見えた。
「ユ、ユ、ユキ…っ」
ｙ「ほんとはこうしたかったんだもん。…周りの目があったからできなかったけど」
あの日から、何度もキスをしたけれど。
やっぱりいつまでもドキドキする。
ｙ「真っ赤」
「…ユキのせいだもん」
ｙ「あ。今日のチェックイン、ここなんだ」
そう言って指さした場所は
「…Zカウンター？」
初めて見る場所だった。