casual dream

□first love -16-
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『幸せそうに食うよな、麻生は』



なんて笑ってる狩野くん。

でも、カチンとフォークを置いて、頬杖をついて私を見た。



『・・・あいつの話、本当なのか?』



あぁ、狩野くんが聞きたいことはこのことか。



「・・・うん。なにも連絡ないし、この前だって・・・」

『なんだよ』

「廊下で目そらされた。いつもなら絶対に話しかけてくれるのに」

『・・・そっか』



ちらりと視線が首元に泳いだ。



『指輪は?』

「え?・・・あぁ、はずしたよ。もう、つけていられないでしょ?」

『・・・いいのかよ、このままで。あいつに正面から言われたわけじゃないんだろ?』



たしかにその通り。
先輩からの明確な言葉はなかった。



「でもね、もう答え出てるでしょ?」

『答え?』

「私と一緒にいれないって言って、優衣先輩とデートしてる。私のこと、無視する。・・・私、恋愛初心者だけどわかるよ。これってもう、付き合ってないよね?」

『・・・・・・・』



紅茶が苦く感じる。


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