casual dream

□first love -17-
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『がんばってんね、バンド』

y「・・・なんだよ」



なにが言いたいのかはっきりしない狩野の態度にキレる寸前。



『なんだよって?あぁ、ちょっとさぁ』



そう言って不敵な笑みを浮かべた。



『先輩に返しときたいものがあって』

y「は?」



一歩近づいた狩野は急に表情が変わった。
ぎっと睨まれたと思ったら身体は吹っ飛び、壁にぶつかった。
一瞬の出来事で、なにが起きたのかわからなかった。
でも、壁に叩きつけられて、殴られたんだとようやく気がついた。



y「・・てめぇ」



バランスを直して立ち上がり、狩野の正面に立つ。
でも、狩野はずっと俺を睨んだまま、怯まない。



『俺、言ったよな?』

y「なにをだよ」

『あいつのこと、泣かせたら許さないって』

y「あいつ?」



狩野は俺の言葉を聞いて、再び拳をぎりぎりと握り締めた。


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