casual dream

□first love -14-
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次の日。
やっぱり顔は最悪のままだった。

別れるだなんて信じたくなくて、いつものようにリングをぶら下げていた。
これが先輩と私を繋いでくれていると思ったから。



『水城―、化学室行こう?』

「・・・うん」



運の悪いことに次の授業は化学。
重い身体を起こして化学室に向かう。

今日は先輩に会いたくない。
どうか会いませんように。

そんなことを願いながら廊下を進む。



2年生のクラスを通り過ぎるとき。
願いは叶わずに廊下には幸宏先輩がいた。
ケン先輩と話している。

ドキンとした。
そして、手が冷たくなって、逃げ出したい衝動に駆られた。

距離は近づく。
足音より心臓の音のほうがうるさい。



先輩も私に気づいた。
ケン先輩と話しながらも私を見ている。
その表情からは感情は読み取れない。

怖い。

そう思って付き合う前のように、目をそらしそうになったとき。





先に幸宏先輩が目をそらした。

まるで私のことなんて気づいていないかのように。


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