casual dream
□first love -14-
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ふふっと笑う先輩。
ようやく頭が回転を始める。
「あの、それって・・・」
『別れ話されたでしょう?』
「別れ・・話・・・?」
『あれ?幸宏くん、話すって言ってたのに。言われてなかった?』
指を唇の下に当てて、考えているそぶりを見せた。
『彼、ああ見えてけっこう優しいから直接は言ってないかもね。距離置こうとか、しばらく会わないとか言われなかった?』
「・・・・・」
あの日、幸宏先輩に言われた。
―y「その・・・しばらく会えなさそうなんだ」
―y「ごめん、水城」
それは・・・
『ひどいよね、そんなこと言われたら期待して待っちゃうだけなのにね』
優衣先輩は相変わらず雰囲気だけはやわらかいけど、話してる内容はきついものだった。
『でもね、麻生さん、期待しないでね』
「あの・・・」
『私達、ヨリ戻すことになったから』
心のどこかで考えていたことが現実になった。
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