casual dream
□first love -12-
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二人はベースを弾く手を止めていて静かな部室。
思い立ったようにむくっと先輩が立ち上がった。
y「寝てくる」
あ、お昼寝タイムね。
じゃあ、私はどうしよう。
ここにいたら邪魔だよね。
なんて、思っていたら手を引かれた。
y「水城、膝枕」
「・・・え?」
y「俺の膝枕に任命してあげるから、一緒においで」
私の返事なんて聞かないのはいつものこと。
あぁもう。
先輩のこんなセリフ、志穂ちゃんに聞かれちゃったよ。
あとですごい言われるよ。
私のほうがはずかしくなって、困ったように志穂ちゃんを見た。
志穂ちゃんは驚きの顔から羨望の顔に変わっていた。
あ、志穂ちゃんもこういう俺様な甘々が好きだもんね。
勝手に納得。
その間にも私はずるずると部室のドアに引っ張られていく。
y「んじゃ、テツくん」
t「はい?」
y「がんばれよ」
捨て台詞のように吐いてドアを閉めた。
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