casual dream

□first love -12-
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そうしたら、先輩が秀人先輩とケン先輩に顎で合図した。
クイクイとドアのほうを指している。
先輩達は最初はハテナ顔。
でも、幸宏先輩の視線がテツくん達にたどり着いたとき、先輩達は意味に気づいたみたい。



k「喉渇いたなぁ」

h「そうやねぇ。ドーナツ食べたしなぁ」

k「テツー、ちょっと飲み物買ってくるわ」

t「わかったー」



手をひらひらとさせて先輩達は出て行った。
出て行くときにケン先輩は誰が見てもわかるような悪い(黒い?)笑顔を見せた。
それに気づいたのは志穂ちゃん以外の全員。

これって・・・チャンスを作ったってこと?

隣にいる先輩を見上げるとしれっとした顔をして、何事もなかったかのように楽譜を眺めている。
トントン指でリズムを刻みながらふとももを叩いていて。
でも、その動きが止まったと思ったら私の首筋に顔を埋めだした。



「せ、せんぱい・・っ?」

y「・・・・」



私の声にテツくんと志穂ちゃんがこっちを見たのが見えた。
志穂ちゃんは初めて見る幸宏先輩の甘え方に目を真ん丸くして驚いて。
テツくんは「またかぁ」ってかんじで苦笑。



y「・・・眠ぃ」



甘えてるっていうか、ただ単に眠かっただけみたいです。
ぱちぱちと瞬きをするたびに長い睫毛が首筋をくすぐる。


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