casual dream

□first love -12-
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k「で、今日は水城ちゃん、友達連れてきてどうしたん?」



2個目に手を伸ばしながらケン先輩がたずねてきた。



「軽音、興味があるみたいなので連れてきちゃいました」

k「そうなん?やりたい楽器とかあるん?今ならタダで触れるで?」

『えっと、ベース、かっこいいなぁって思って』



志穂ちゃんがそう言うと幸宏先輩の口元が緩んだのが見えた。
そして、私にひっそり耳打ち。
y「かっこいいのはベースが、じゃなくて、テツくんが、だよね」
たしかにその通りです(笑)



k「そうなん?じゃあ、テツにおしえてもらえばええやん」

h「うん。今、イベントもないし、特に急ぎの練習もないしなぁ」



ナイス発言、先輩達。



「志穂ちゃん、テツくんにおしえてもらったら?」

t「こっち来る?ええで?」



さりげなくベースを渡して再び隣に座る。
志穂ちゃんに「がんばって」の目配せ。






そのあとはポロポロ奏でられる音を聞いていた。



『えっと・・・こう?』

t「ん〜、こうかなぁ」



テツくんが志穂ちゃんの後ろから抱きしめるような格好で教えている。
そして、また隣にすわって。



『難しいね』

t「でも、志穂ちゃん覚えるの早いで?」

『そっかな』

t「うん」



なんて二人笑って話しながら弾いている。
私は幸宏先輩の隣にいて、なぜか先輩は私にもたれて楽譜を見ていた。


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