casual dream
□first love -9-
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y「部活も休んで、俺とのデートも断ってバイトするなんてさ」
「そういうわけではないんですけど・・・」
y「ん?」
「志穂ちゃん困ってたし、ケーキ好きだし、余ったケーキは安く売ってもらえるし、お小遣いもたまるからちょうどいいかなぁと思って。
先輩も時々してるでしょ?」
y「あぁ、ライブハウスでのバイトね。え、なに。ケーキもらえんの?」
「売れ残ったら、ですよ?今日もほら(笑)」
繋いでる手と反対の手には白い箱。
「マンゴープリンと洋梨のタルト」
y「うまそ」
「どうぞ。先輩に渡そうと思ってもらってきたものですから」
y「いいの?」
「私、この前、食べましたから。それに」
y「なに」
「こんなペースで甘いもの食べてたらブタになっちゃう・・・」
はい、と箱を渡したら、その手を握られて。
そのまま引き寄せられて抱きしめられた。
「せ、せんぱい?」
y「・・・うーん、まだブタじゃないな(笑)」
「もうっ」
y「あははっ。あんまり気にすんなって。元気に食ってる水城のほうが好きだし」
ちゅっと一瞬だけ口付けて。
また歩き出す。
y「明日で終わりなんでしょ?迎えに行くよ」
「・・・はい」
もうすぐクリスマス。
・・・楽しみ。
→あとがき