casual dream
□first love -8-
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『・・・前の彼女、2年で一番かわいい先輩だったんだって?』
転校してきてから1ヶ月弱。
いろんな噂を聞いたんだろう。
『その人のときだってさ、二股してたみたいじゃん』
「狩野くん、なにが言いたいの?」
『・・・今も、なんじゃねぇの?』
「え?」
ずっと、心のどこかで恐れていたこと。
『麻生と付き合ってるって言ってるけど、他に女いるんじゃねぇの?
それとも、麻生のほうが浮気相手なんじゃね?』
「・・・・・」
『なにも言い返せないじゃん。麻生だってほんとはそう思ってんだろ?』
「私は・・・」
続かない言葉をさえぎるように、壁に追い込まれる。
『俺にしろって』
「狩野くん・・・」
腕で押してもどうにもならない。
狩野くんはびくとも動かない。
どうしよう。
このままじゃ、キスされちゃう・・・・っ。
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