casual dream
□first love -8-
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ようやく、頭が覚醒しだす。
え・・・?
ちょっと待って・・?
びっくりして椅子から落ちそうになった。
「かかかか狩野くん・・・っ」
『・・・おまえ、無防備すぎんだよ』
椅子から立ち上がって壁に逃げる私を見て、涼しい顔で言い放つ。
『・・・俺にしろよ』
すぐには意味を飲み込めない。
「・・・え?」
『幸宏先輩と別れて、俺と付き合えよ』
思い出す。
幸宏先輩に言われたこと。
あいつには気をつけろ
それって・・・
『先輩さぁ、ぜんぜんいい噂ないじゃん』
「・・・・」
『暴力で退部、停学、他校の女との二股とか。麻生、わかって付き合ってんの?』
「ちがうよ、先輩が殴ったりするのは理由があってのことだし、二股だって・・・」
『なに。ちがうのかよ』
「よくはわかんないけど・・・ちがうよ・・・」
『よくわかんないってなんだよ。・・・そんなに不安そうな顔してるくせに』
狩野くんの視線はいつになく鋭くて。
隠していた気持ちまで読まれてしまいそうだった。
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