casual dream
□first love -8-
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美術室にはまだ誰も来ていなかった。
その奥にある部室にも当然誰もいない。
「はぁー。画材の匂い、落ち着くー」
『・・・それ、やばくね?』
「どうして?」
『ラリってるかんじじゃん』
「あ、ある意味そうかもね(笑)」
借りていた漫画を読もうかと思っていたけど、眠くなってきたかも。
昨日、お笑い見てて夜更かししちゃったからなぁ。
『寝んの?』
「うーん・・・眠いかも・・・」
『食べてすぐ寝たら太るぞ』
「む〜・・・。おやすみなさい・・・・」
『時間きたら起こしてやる』
「う・・ん・・・・」
狩野くんの最後の声を聞いたときにはすでに半分夢の中だった。
私の特技。
すぐに寝れること。
見事に学校でも発揮されています。
数分、カクンと深い眠りに落ちたんだと思う。
顔になにかが触れた気がした。
なんだろ・・・。
ぼんやりした頭で目を開けたとき、ドアップの狩野くんの顔が見えた。
あれぇ?
どうしたんだろ・・・。
そう思ったときには唇になにかが触れていた。
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