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□after episode 2
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建物の端まで行くと見えるのは囲む海と対岸ホテル、もっと遠くの地平線。
地上よりも風が強くてそれが気持ちよかった。

「すごい見晴らし…」
y「かなり上ったからね」
「そうだよね。はぁ…やっと来れた…」

うれしくてユキに抱きついた。
ユキは笑ってた。


ゴーンゴーン


鐘の音が聞こえて振り返ると輝く大天使ミカエルの像が間近に見えた。

「綺麗」
y「教会の中も入れるよ」
「行きたい」

手を繋いだまま道を進む。
開かれた扉。

「わぁ…」

荘厳なゴシック様式の教会。
歴史を感じさせる背の高い柱。
日の光が柔らかく差し込んで、まるで現実からトリップしたかのよう。

「こういう雰囲気、やっぱり好きだなぁ…」
y「意外だよね」
「え?」
y「水城、もっとかわいいものが好きなイメージあったから」
「かわいいものも好きだけど、なんていうか…心が洗われるようなかんじがするの。パリのノートルダム行ったときも思ったんだけど」
y「へぇ」

足を進ませて椅子に座る。
高い天井。
よく作ったなぁ、こんなものを。
教会内を1周してその隣にある中庭に出た。

「かわいい」
y「柱いっぱいだよね」
「この柱、たしか1本だけ当時のものがあるって柱じゃない?」
y「そうなの?」

中庭は柱に覆われていて、回廊というらしい。

「…でも、どれがその柱かわかんないね」
y「だね」
「明日、ゆっくり探そうかな」

その他にも当時の資料とか見るものはたくさんであっという間に時間は過ぎた。
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