after series
□after episode 2
6ﾍﾟｰｼﾞ/10ﾍﾟｰｼﾞ
降り立ったアスファルトからはもわっと熱気が立ち込めていた。
ユキと手を繋いで。
視線の先には島の頂上、修道院教会のてっぺんにある大天使ミカエルの像が日の光に反射していた。
あの日、観光に行けなかった私にユキがたくさんお土産を買ってきてくれた。
その中に「水城ちゃんに似合いそうだと思って」と少し照れながら渡してくれたのが羽のネックレスだった。
このミカエルの羽のネックレス。
今も首にかかっている。
それをぎゅっと握りしめた。
「……」
言葉が出ない。
あぁ。
やっと来れたんだ。
ｙ「もっと近くに行こうか」
「…うん」
島のふもとまでくるとその大きさに圧倒される。
岩を加工して作られた街並み。
自然と人工の奇跡。
「綺麗…」
ｙ「うん」
風が吹くと潮の匂いがした。
ここは本当に周りが海に囲まれた島なんだ。