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□after episode 2
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その後は少し早めのランチタイム。
そして、白鳥の城との別名を持つシュノンソー城に行った。
川のほとりに建てられているお城は遠目に見ると白鳥が佇んでいるみたい。
近くの街で雑貨を見たり、ドリンクをテイクアウトしてお散歩したりして車に乗りこんだら、程よいあたたかさと満たされたおなかのせいでうとうととしてしまった。
ユキの肩に頭を乗せて車に揺られるのは初めてだ。
いつもはユキが運転してるからそんなことできないし。
今日は初めてのことづくし。
y「ねぇ、水城」
しばらくすると耳元で呼ばれた。
y「水城、起きて」
「…うん?」
y「もう見えてくるよ」
「…うん?」
y「モンサンミシェル」
その言葉にパチッと目が開いた。
車は地平線が見えそうなところを走っていた。
その向こう側
「…ねぇ?あれが…モンサンミシェル?」
遠くの地平線にかすかにピラミッドみたいな三角形が見える。
y「うん。あれだよ」
その答えで胸が熱くなった。
「あれが…」
ずっとずっと憧れていた場所。
y「どんどん大きく見えてくるよ」
「…うん」
車が走るたびにそれは大きく、鮮明さを増してゆく。