after series

□after episode 1
9ページ/10ページ


『では、僕は明日の朝、迎えにきます。素敵な夜を〜』
y「うん、ありがと、穂積くん」
「ありがとうございます」

部屋は最上階。
スイートに足を踏み入れた。

y「ここが新婚旅行の拠点ね」
「うん。すごく広いし…素敵。ゴシックだね」
y「水城の好み?」
「うん。見るの大好き、ゴシック。…わ!外の景色もいいね!」

大きな窓のベランダからはパリの街が見えた。
エッフェル塔!とか声をあげていると後ろにぬくもりを感じた。

「ユキ?」
y「…やっとここに来れた」
「…うん。ユキ、ありがと。飛行機嫌いなのに」
y「水城と一緒だったら大丈夫だよ」

振り向いたらチュッとキスをくれた。

y「国外だから好きにできるよ」
「うん?」
y「手繋いだり、そういうの」
「…そうだね」

ユキの手が胸へと伸びてきた。

y「…もう欲しくなってきた」
「ま、まだ明るいよ…っ」
y「関係ないよ。…水城が欲しい」

乞うようなうなじへのキス。
そんなふうにされると我慢できなくなること、知ってるくせに。

「…抱いて?」

ユキの首に腕を回して、背伸びしてキスをした。
やっぱりこの人が好きだと思った。

「好き…」
y「俺も好きだよ、水城」

沈んだシーツはあの日の私達を思い出させた。




→あとがき
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ